簡単に使えるAIで様々な分類の用途を解決する

あらゆる産業において、ラインやオートメーションのエンジニアは高度な画像処理を使うメリットとして、人間の検査担当者にとって代わり、検査スピードを向上させ、正確さを改善できる一方で、製品や材料の変更を管理できる、ということを把握しています。また、エンジニアは機械学習、ディープラーニング、AI、その他日々の業務上の責任からは少し離れているようなコンセプトについても聞いたことがあります。
既存の画像処理は迅速で正確ですが、膨大なプログラミングや画像ツールの操作が必要になります。例えば、1つのツールのアウトプットを他のツールに対するインプットとして利用して、望ましい最終的なアウトプットを得る連鎖法と呼ばれる操作などです。
エッジ学習テクノロジを備えたIn-Sight 2800ビジョンシステムはこのような煩わしいプロセスを排し、AIと高度な画像処理の力をファクトリフロアにもたらします。その際、AIについても画像処理ツールについても知識は必要ありません。
複雑さのないAIのパワー
エッジ学習はAIの一部であり、事前登録済みのアルゴリズムを使用してデバイス上、つまり「エッジで」直接処理が行われるものです。現在既存のビジョンカメラを利用したり、いまだに人間の検査担当者に頼っていたりするような幅広い産業用途にエッジ学習が役立ちます。In-Sight 2800はこのテクノロジを実装して、これまで既存の高度な画像処理ツールでも難しいとされていた、わずかであっても重大になる欠陥の特定と分類を実施します。
このように分類していくと、プロセス改善においてさらなる長期的なメリットが生まれます。エッジ学習ツールは製品の欠陥を何種類ものカテゴリに分類していくことを学習できます。よって、どのようなエラーの種類が増えているのかについて情報を得ることができるのです。例えば、ライン上の特定の機械が徐々に仕様から外れつつあることが示唆されることもあるでしょう。それを受けて、機械が深刻なエラーを生み出す前に、または機械が全く動かなくなってしまう前に、この機械を調整したり入れ替えたりすることが可能になります。
自動車向けの用途
現在の自動車のあらゆる部分に射出成形電気コネクタが使われており、様々な部品に電気や命令を伝達しています。コネクタによって配線がシンプルになり、保守や修理の際に部品の分離や除去が容易になります。
長期にわたる電気接続を保証するためにコネクタ同士は完全かつ正確に留められている必要があります。部品や車両が次の生産段階に移る前にこの接続を確認する必要もあります。このプロセスは言うは易く行うは難し、です。コネクタには様々なクリップ、スナップ、その他の連結部があります。さらに、黒や暗い色のプラスチックでできており、詳細が見分けにくくなっています。多くの場合、様々な角度で検査カメラの前を通ります。
エッジ学習テクノロジを備えたIn-Sight 2800ビジョンシステムには、優良と不良の接続の両方についてラベル付けした画像何枚かを使って学習させることができます。この学習を受けて、システムがコネクタをOKかNGかに迅速に分類していきます。新しい設計のコネクタが導入されても、エッジ学習ツールは簡単に再学習させることができます。新しいデザインのサンプルがいくつかあれば、すぐにラインで利用できるようになります。

エレクトロニクス向けの用途
プリント回路基板(PCB)の多くにはステータスを示すためにLEDインジケータ照明が含まれています。1つの用途の例として、どのインジケータが電源オン(PWR)の状態、送信(TX)の状態、電源オフの状態を示すか特定する必要性があります。LEDが薄暗く、隣り合って配置され、背景の視覚環境が紛らわしいため、既存の画像処理ではインジケータの状態を見分けるのが難しいこともあります。
既存の画像処理において、典型的な判断の方法はピクセルカウントツールです。このツールでは各状態について特定の位置での明るさのしきい値を設定する必要があります。これは高度な画像処理プログラミングの経験が必要な複雑なプロセスです。
In-Sight 2800に取り入れられているようなエッジ学習ツールでは、OFF、PWR、TXの状態についてラベル付けされた画像数枚を使って学習させることができます。または、必要に応じて直接カメラを通して学習させることもできます。この短いトレーニングを経て、正確にPCBを3つの異なる状態に分類して仕分けするようになります。
医薬品向けの用途
医薬品向けの用途として、自動的に所定のレベルまでガラスバイアルに薬品を充填する、というものがあります。キャップをする前に、充填レベルが適切な許容値内であることを確認する必要があります。ガラスバイアルや内容物が透明であったり反射しやすいものであったりすると、既存の画像処理では一貫性を保って充填レベルを検知するのが難しくなります。
エッジ学習では、反射や屈折、その他画像内の紛らわしいばらつきによる曖昧さを無視し、充填レベルを示す画像の重要な部分を見分けることができます。過剰または過小な充填は却下され、許容値内のものだけが合格となります。
梱包向けの用途
ソフトドリンクやジュースのボトルは生産ラインで充填され、スクリューキャップやフタで密封されます。回転式のキャップ装着機によるキャップの装着ミスがあったり、キャップ装着中に損傷したりすると、隙間ができて異物混入や漏れの原因になります。
ボトル充填やキャップ装着のラインは高速で動きます。適切に密封されたキャップを確認するのは簡単ですが、キャップの装着が不適切な場合の多くは微妙な差異です。ラインのスピードだけではなく、キャップがほぼ閉まっているものの完全ではないといった様々な状態あることから、既存の画像処理にとってこの用途は課題が多いものになっています。
In-Sight 2800のエッジ学習ツールに優良の画像数枚と、人間の目では判断できないもののわずかな隙間のあるキャップの画像数枚を示すことができます。そうすると、ラインのスピードにあわせて、完全に密封されているキャップをOK、その他のキャップをNGと分類するようになります。このテクノロジを利用すると、合格してしまった欠陥の割合を大幅に引き下げることができ、コストはあまりかからず、利用方法も難しくありません。
難しいファクトリオートメーションの問題への簡単なソリューション
エッジ学習を備えたIn-Sight 2800ビジョンシステムは難しいファクトリオートメーションの問題を念頭に設計されています。能力が高く簡単に利用でき、すぐにあらゆるラインにおいて不可欠なツールになるでしょう。