リキッドレンズ技術がバーコード読み取りを変える方法

Liquid Lens Autofocus Technology Banner

最新世代のリキッドレンズはオートフォーカスを容易にし、現在では幅広いマシンビジョン問題に最適なソリューションとなっています。バーコードの読み取り、パッケージの仕分け、品質検査、自動化など、様々な用途に適しています。

適切なレンズを選ぶメリット

バーコード読み取りアプリケーションをセットアップする際には、そのアプリケーションに最適なレンズを選択することが重要です。ある用途に適したレンズは、照明条件、距離、画像化が必要なサイズ、その他のさまざまな要因によって、別の用途では著しく性能が低下する可能性があります。

レンズは対象物または対象領域から反射する光を受け取り、カメラセンサーに焦点を当てています。対象物の光の点がカメラセンサーの最小の領域(理想的には点)である場合、対象物に対するフォーカスが合います。

レンズが異なれば、レンズの強度も異なり、形状や屈折率に基づいて異なる量で光が湾曲します。これは、焦点距離、物体が焦点を合わせるときのレンズと撮像センサーとの間の距離に影響します。レンズの選択には、動作距離、視野、カメラセンサーのサイズと解像度などが関わります。

ジョブが変更されれば、レンズも変更が必要

アプリケーションで必要な視野と作動距離が一定の場合は、焦点距離が固定されたカメラが最適です。しかし、ほとんどのアプリケーションでは、片方または両方が、時には連続的に、不連続なステップで変化する可能性があります。そのような場合は、フォーカスも変更する必要があります。変更しなければ、画質が著しく低下します。

フォーカスを変更することは、マシンビジョンにおける長年の問題でした。これまでは、レンズを物理的に動かして焦点距離を変更し、視野と焦点を変更していました。あるいは、焦点距離が異なる別のレンズに交換していました。

近年は、曲率を変える液体レンズを使用するオートフォーカス技術で、個々のカメラの機能が高まり、多くの複雑な機械的仕様をなくすことで、産業やその他のアプリケーションが広い範囲で変革しています。

オートフォーカス技術とは何か、なぜそれが役に立つのか?

カメラは、さまざまな方法で、適切な焦点を見つけることができます。パッシブメソッドは、位相検出やコントラスト検出など、さまざまなアルゴリズムを使用してターゲット画像を分析します。アクティブメソッドは、レーザーまたは超音波を介して、ターゲットへの距離を直接測定する外部センサーを使用します。メソッドの選択は、特定の状況によって異なります。

オブジェクトが焦点が外れた、またはオブジェクトまでの距離が変化したという信号に応答して、カメラのレンズは、オブジェクトに焦点が戻るまで焦点距離を調整します。

オートフォーカスはパーソナルカメラや携帯電話で確実に機能し、マシンビジョンでも幅広く使用されています。一方で、よりシンプルで柔軟に焦点を変える方法を長い間模索してきました。その結果、光の屈折で形を変えることができるリキッドレンズが登場しました。

リキッドレンズの仕組み

リキッドレンズは、エレクトロウェッティングと呼ばれる効果で自身を正確なレンズを成形する光学グレードオイルを使った自己完結型セルであり、電流を流すと予測可能な方法で屈折率を変化させます。この屈折率の変化で焦点距離と作動距離をミリ秒単位で調整し、非荷電の状態で元の形状に戻ります。

リキッドレンズの説明図

従来の光学レンズと同様に、リキッドレンズは単一の光学素子であり、光学レンズと同様に、一般的には単独で使用されるのではなく、集合体の一部として使用されます。1つのレンズは、レンズ上のぼけ、色づき、歪みなど、収差と呼ばれるさまざまな欠陥を持つ1つの画像を生成します。光学設計者は、特定の用途に応じて、これらの光学的な問題に対抗するレンズを複数使用します。用途に応じて、リキッドレンズはレンズスタック内の異なるポイントに配置されます。

リキッドレンズのメリットは何ですか?

オートフォーカスは、さまざまな距離、種類の異なる対象物、および視野の変更要件に即座に適応できることから、画像処理式バーコードリーダの鍵です。リキッドレンズは、処理速度と使いやすさで他の方法よりもはるかに優れています。

また、リキッドレンズは、同じ仕様のメカニカルレンズよりも大幅に小型軽量化されています。フォーカスに必要な機械的仕様をなくし、レンズを物理的に動かして焦点を変更する必要がなくなるため、カメラが小型軽量化されます。リキッドレンズ搭載カメラは、従来のカメラが収まらない狭い製造ラインや荷物処理アプリケーションで使用できます。

工業では、衝撃や振動により画品が著しく低下するため、再配置や再校正が頻繁に必要です。リキッドレンズには可動機械部品がありません。摩耗する部品がない他にも、衝撃や振動に対する耐性も大幅に高くなります。レンズの焦点が合わない動きがあると、即座に反応することができます。

また、従来のレンズよりはるかに長持ちします。モーターや機械的構造を持つ焦点システムは、約10万サイクルで摩耗する一方で、可動部品のないリキッドレンズは、最大5,000万サイクルも持続できます。

リキッドレンズは完全に無音です。これは、工業分野ではさほど重要ではなくても、臨床現場での使用にはメリットがあります。

リキッドレンズの特定の用途

リキッドオートフォーカスレンズは、現代の高速ライン上の多くの問題を解決します。二次元コード読み取りでは、対象物の大きさが様々で、コードの向きも異なるため、パッケージごとにフォーカスも素早くシフトします。

リキッドレンズ可変スキャン

プリント基板(PCB)の目視検査は、PCBの変形が小さく、最適なフォーカスポイントも変わるため、困難になる場合があります。リキッドレンズは、検査対象のPCBで適切な部分に焦点を維持するため、必要に応じていつでもフォーカスを調整できます。リキッドレンズは、腹腔鏡、無人航空機、レーザーなど、幅広い用途で使われています。

リキッドレンズは変革的な技術

オートフォーカスを備えたリキッドレンズは、バーコードリーダを幅広い用途で使用できるようにすることで、必要なカメラの数を減らすとともに、その使用可能期間も延長することができます。コグネックスのテクノロジについては、バーコードリーダ製品ガイドをダウンロードしてください。

 

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