あらゆる状況下でディープラーニングベースの OCR を使って複雑で難しいコードを読み取る

Deep learning ocr tool

事前登録された光学式文字認識 (OCR) および検証 (OCV) ツールによる時間節約について想像してみましょう。このツールは、事前に面倒な登録を行う必要がないため、すぐに使うことができます。また、認識できないフォントが現れた場合や、まぶしさ、エッチング不良、変形などが生じた場合、工場の現場で誤読した文字のみをツールに再登録することができます。これこそが、事前登録されたオムニフォントライブラリを使い、アプリケーション固有のフォントのみを登録するディープラーニングベースのOCRとOCVツールの特長です。

明暗の背景に対して設定された一貫性のある、読みやすいフォントは、従来のマシンビジョンで十分に解決することができます。しかし、メーカーは、背景が複雑で、使用しているマシンビジョンシステムでは画像処理で課題がある場合、およびアプリケーション固有のフォントの数と種類が予測できない場合に、新しい種類の専用 OCR ソリューションを必要としています。変形や歪みが激しい、あるいはエッチングが不十分なコードは、一般的な欠陥です。その他の注意が必要なコードには、低コントラストの文字やコードの印刷、エッチング、ドットピーニングや、複雑な背景にエンボスされているコードなどがあります。

ディープラーニングベースのソフトウェアが、これらの複雑なOCR/OCV検査アプリケーションに対して、根本的に簡単で正確な代替手段を提供する方法を見てみましょう。

自動車産業向けディープラーニング OCR

自動車メーカーや部品サプライヤーは、シリアル番号を使用して、サプライチェーンの高価な部品を追跡し、アセンブリが正しいことを確認します。ほとんどの部品には、10桁のドットピーンシリアル番号が刻まれ、テスト中にエラーが発生してもソースをトレースできるようになっています。

エンジンブロックのOCR

リコールの場合でも、影響を受ける部品はすぐに市場から取り除くことができます。一般的な読みやすさの課題に加えて、部品のシリアル番号が鋳造や研磨工程ですり減ることがあります。たとえば、まぶしい金属表面は、自動検査システムでカメラを混乱させることがあります。ドットピーンのシリアル番号の変形がひどく、読みにくい場合、OCRとOCVの処理が遅くなり、トレーサビリティが効果的に行えないことがあります。

ディープラーニングベースのOCR/OCVツールは、事前登録されたオムニフォントライブラリを使用して、最も読みにくいコードもすぐに識別できる能力で、これらの課題に対応します。コグネックスのディープラーニングは、アプリケーションごとに調整が必要です。つまり、各コードの個別の文字を式ベルするようにアルゴリズムに学習させる代わりに、トレーニング エンジニア(ビジョンエキスパートではない)に必要なのは、対象領域(通常、誤読文字のある領域)を定義し、文字サイズを設定して、画像にラベルを付けるだけです。誤読文字やアプリケーション固有のフォントは、工場の現場で簡単に再登録できます。

エレクトロニクス産業向けディープラーニング OCR

集積回路 (IC) パッケージやリードフレームなどの電子部品のレーザーエッチングコードは、すべての電子ハードウェアメーカーにとって不可欠な特徴です。これらのバーコードとシリアル番号には、部品が製造された日付と場所、ロット番号、およびテストデータに関する情報が含まれています。また、コンポーネントがチップにマウントされ、モジュールに組み立てられる際に重要な情報であるはんだ温度と流量密度に関する情報を符号化する場合もあります。

回路基板のOCR

これらのコードは、最終組み立てとデバイステストの各付加価値各段階で読み取られ、ハードウェアの適切な組み立てと、適切なコンポーネントの使用を確認します。ほとんどの半導体の小型化とPCB基板のスペース制約を考えると、メーカーの識別システムは、生産をフルスピードで稼働させ、高価値のコンポーネントを追跡するのに十分な堅牢性が求められます。これは、1.1 mm x 1.4 mmの小さなスライダーヘッド側面のレーザー刻みコードを日常的に読み取らなければならない完成品メーカーも同様です。当然のことながら、レーザーマークコードは生産中に劣化し、読みにくくなる可能性があります。

このような状況では、ディープラーニングベースのOCR/OCV技術は、すぐに使えるソリューションを提供し、事前登録されたオムニフォントライブラリを使用して変形や歪んだ文字を認識することで、時間のかかる登録が必要なくなります。エンジニアは、アプリケーションごとに素早く調整を行い、誤読コードを再登録できます。読み取りミスが減り、機械の稼働時間が最大化されるため、生産性のメリットを即座に得ることができます。

パケージ産業向けディープラーニング OCR

メーカーは、信頼性の高いシステムを用意してサプライチェーン全体で各パッケージの情報の証跡を認識し、検証する必要があります。パッケージの完全トレーサビリティを確保する取り組みにおいて、食品/飲料および消費財メーカーは、読み取りが難しいコードに遭遇することがあります。

 アルミ缶の OCR

通常の欠陥は、ラベルに印字されたパッケージコードの文字が薄い、またはボトルキャップなどの射出成形部品へのエンボス文字が損傷しているかどちらかです。コードは、複数部品パッケージの内容確認に使用されるか、内容物、製造元、製造日に関する情報を埋め込まれる日付/ロットコードとして使用されます。この場合、メーカーはOCR/OCV機器を使用して、影響を受ける製品を迅速に見つけ出し、製品から取り出したり、棚から引き出したりします。従来のOCR/OCV技術では、様々なフォントを事前に登録させておく必要があり、その後も、文字のコントラストの悪い場合にはデコードに苦労する可能性がありました。

ディープラーニングベースのOCR/OCV技術には同じ制限はありませんし、最もコントラストの低い文字や数字でも自動的に読み取ることができます。ディープラーニングベースの技術を採用することで、メーカーは食品の安全性とトレーサビリティに関する法律に準拠し、リコールによる生産への影響を最小限に抑えることができます。

ライフサイエンス産業向けディープラーニング OCR

トラックアンドトレース法で厳しく規制されているライフサイエンスでは、効果的なOCRとOCVが非常に重要です。コンプライアンスを維持するため、メーカーや病院は、医療機器、手術道具、患者の病院IDブレスレットを扱うとき、使用するときに毎回コードをスキャンする必要があります。これにより、安全に関わる事象が発生した場合にサプライチェーン全体でデバイスや医薬品を厳重に管理できます。

ライフサイエンス向けディープラーニング OCR

機器の数が多く、製品を扱う人が多いため、コードが変形したり、歪む可能性があります。また、画質は標準以下の場合は、カメラに見える外観が異なる場合があります。ライフサイエンスでは、その遭遇する可能性が高い数多くのフォントを認識するようマシンビジョンシステムに学習させるのに時間を費やすのではなく、ディープラーニングベースの画像解析ソフトウェアにその作業を行わせています。

ディープラーニングベースのOCRツールは、扱いが難しい基板に印刷されたコードや、金属部品上のドットピーンなどの変形しやすいコード、射出成形品のエンボス文字、電気部品にレーザーでエッチングされたコードでも、効果的かつ簡単に展開できます。コグネックスのディープラーニングOCR/OCV技術は、ほとんどの英数字文字は認識できるようになっているため、関心領域と文字サイズを設定するという簡単な事前登録のみで使用できます。このシステムは、工場の現場で誤読文字を素早く再登録できるため、メーカーは生産を中断する必要がありません。

ディープラーニングによるOCRやOCVのようなファクトリオートメーション アプリケーションの革命については、無料のホワイトペーパーファクトリオートメーション向けディープラーニングをダウンロードしてください。

他の投稿

製品のサポートやトレーニングなどの詳細を見る

マイコグネックスに参加