ディープラーニングによるパッケージングソリューションの検査の自動化

包装製品は、品質を高め、誤検出をなくし、スループットを向上させ、リコールのリスクを排除するために、独自のカスタム検査システムを益々必要となっています。パッケージングラインに沿った一部の基本的なマシンビジョンアプリケーションは、パッケージ上のラベルが存在する、正しい、真っ直ぐである、読み取り可能であることを確認します。他にも、シンプルなパッケージング検査では、ラベルの存在、位置、品質(欠陥、剥がれ、気泡がないこと)、可読性(バーコードや日付/ロットコードが存在し、スキャンできること)が確認されます。
しかし、食品飲料、消費財、物流などの産業で使用されるボトル、缶、ケース、ボックスなどのパッケージは、従来のマシンビジョンでは正確に検査することができません。パターン性の高い、または反射グレアのある、紛らわしい表面上の可変的で予測不可能な欠陥を探すアプリケーションの場合、これまでメーカーは、検査員の柔軟性と判断に基づく意思決定に頼ってきました。しかし、検査員による作業は、現代の消費者パッケージ商品業界の大量生産に対応し難いという課題が残されます。
自動化は難しいが高い品質とスループットが求められるアプリケーションでは、ディープラーニング テクノロジが、パッケージング業界のアプリケーションエンジニアが自由に利用できる効果的な新しいツールです。ディープラーニング テクノロジは、紙、ガラス、プラスチック、セラミックス、およびそのラベルなど、あらゆる種類の包装面を扱うことができます。印刷されたラベルの特定の欠陥や包装用の切断ゾーンなど、コグネックスディープラーニングは、対象ゾーンの様々な外観を登録するだけで、対象領域全体を識別できます。さまざまなツールを使用して、コグネックスのディープラーニングは、複雑なオブジェクトや特徴を見つけて計数し、異常の検出、対象物およびシーン全体を分類できます。さらに、事前学習されたフォントライブラリを使用して英数字を認識し、検証することができます。
ここでは、コグネックスのディープラーニングがパッケージ産業およびメーカーに対して上記のすべてを行う方法を探ります。
パッケージング欠陥検出
マシンビジョンは、ボトルや缶のパッケージ検査において非常に重要です。実際、ほとんどの工場では、マシンビジョンでラベルやラッピングの配置を検査するのみでなく、製造中の位置や配列を検査しています。
ラベル貼りの欠陥は、シワ、裂け目、剥がれ、反り、気泡、印刷エラーを検出できる従来のマシンビジョンによって十分に処理されます。高コントラスト画像形成および表面抽出技術は、湾曲面や照明条件の悪い状態でも欠陥を取り込めます。特定のアルミニウムの金属面は、グレアや予測不可能に変化するすべて検出する必要のない欠陥の性質により従来のマシンビジョンを混乱させることがありました。このような難しい表面検査に、長いスクラッチや浅いくぼみなど、様々な欠陥の形式やタイプが加わり、潜在的な欠陥のすべてのタイプを明示的に検索できなくなるのも遠くありません。
新しいディープラーニングベースのアプローチなら、あらゆる種類の難しい金属パッケージング面を正確かつ繰り返し検査することが可能です。コグネックスのディープラーニングを使用すれば、検査を明示的にプログラムする代わりに、ディープラーニングアルゴリズムは、一連の既知の「良好」サンプルを自己学習(登録)することで参照モデルを作成します。この登録が完了すると、検査を開始する準備が整います。コグネックスのディープラーニングは、通常の許容可能な外観の範囲から逸脱している缶表面上のすべての欠陥領域を特定し、報告することができます。
パッケージの光学式文字認識
材料やタイプに関係なく、ほとんどすべての消耗品パッケージのどこかに日付/ロットコードが隠れています。これらのコードをきれいに印刷し読み取れるようにすることは、エンドユーザーや消費者が買い物をするときのみでなく、メーカーの検証段階でも非常に重要です。ボトルやクッキーのパッケージなどのラベルの日付/ロットコードが誤印刷されたり、汚れや変形があると、いずれの場合も問題が生じます。
通常、従来のマシンビジョンは、コードが工場を離れる前に読み取り可能で正しいことを簡単に認識したり検証したりできますが、読み取りが難しい特定の表面では、それも容易ではありません。このような場合、金属ソーダケースのような反射材料に印刷されたコードに汚れや歪みがあっても検査員ならある程度の努力で読み取ることができましたが、マシンビジョン検査システムにでは高い信頼性を得ることはできません。その場合、梱包業者は、人の基準で読み取り可能かどうかを判断する検査システムが必要ですが、それにはコンピュータシステムの速度と確実性も必要です。そこでディープラーニングが登場します。
コグネックスのディープラーニングOCRツールは、日付/ロットコードのプレーンテキストを検出して読み取り、それがひどく変形している、歪んでいる、あるいは金属面のエッチングが不十分な場合でも一連の数字や文字が正しいか検証することができます。このツールは、学習済みのフォントライブラリを使用するため、新たな登録が最小限で済みます。つまり、コグネックスのディープラーニングは、プログラミングをしなくても、ほとんどの英数字をすぐに認識できるようになっています。登録するのは、表面の詳細を認識する、あるいは見逃した文字を再登録するという特定のアプリケーション要件に限定されます。これらの利点はすべて、素早く簡単な実装に役立ち、画像処理の専門家が関与しなくても確実な OCR および OCV アプリケーションの実行結果をもたらします。
パッケージアセンブリの検証
外観が重要なアセンブリ検証は、特定のイベント向けの製品や季節に特化した製品のように、デザインがさまざまなになるマルチパック商品の場合は特に困難になる可能性があります。これらのパックは、ケースまたはボックスが同じでも中身や構成がことなる場合があります。
このような検査の場合、メーカーには、個々のアイテムが存在し、適切であること、またその構造が正しこと、パッケージの外観と一致することを確認できる柔軟性の高い検査システムが必要です。それには、1つの画像で複数の対象領域を検出して分割し、パッケージのばらつきを考慮して、ラインごとに検査できる複数の構成に対応できる検査システムが必要です。
個別のアイテムを固有の識別可能な特性で検索する場合、ディープラーニングベースのシステムは、サイズ、形状、色、および表面の特徴に基づいて各アイテムの識別可能な特性を一般化するのに適しています。コグネックスのディープラーニング ソフトウェアは、時間をかけずに学習できるため、アイテムのデータベース全体の構築も容易です。その検査は、ライン別、あるいは一部に関わらず領域別に行って、パッケージが正しく組み立てられていることを確認できます。
パッケージの分類
キッティング検査には、自動検査システムの複数の機能が必要です。複数の消費財で構成されるパッケージでは、適切なタイプと数の製品が梱包されていることを出荷前に検査する必要があります。計数と識別は従来のマシンビジョンの得意分野です。しかし、適切なアイテムが複数個所に収納されていることを確認するには、収納される製品をカテゴリ別に分類する必要があります。たとえば、複数の日焼け止めパッケージの場合、2種類の日焼け止めのみか、リップバームも入っているかを判別する必要があります。
この分類は重要ですが、従来のマシンビジョンでは実現できませんでした。幸いにも、コグネックスのディープラーニング分類ツールなら、従来の検索・計数マシンビジョンツールとの組み合わせが簡単です。さらに、キッティング検査で複数の製品タイプを扱い、人工知能でそのタイプの特徴を一般化する必要がある場合は、ディープラーニングベースの検索・計数ツールと組み合わせることができます。
ディープラーニングベースの分類は、ラベルの画像に基づいて異なるクラスに分離し、パッケージの画像がその分類と一致するかどうかで製品を識別します。その分類に異常を含む画像が登録されていれば、システムがその画像から合否を判定することができます。
新しいディープラーニング対応ビジョンシステムは、本質的に自己学習であり、プログラミングを行わずにラベル付けされたサンプル画像を学習するという点で従来のマシンビジョンと異なります。ディープラーニングベースのソフトウェアは、偏差やばらつきなどのニュアンスを理解し、確実に正しい判断を下す上で最高品質の検査員を上回る人間のような知能を使用します。しかし、最も重要なことは、これまでプログラムできなかった複雑な自動化の課題を解決できることです。
パッケージ産業のメーカーは、コストを削減しつつ高品質の製品を大量生産したいという正当な理由で、さらに速く強力なマシンビジョンシステムを求める声が高まっています。コグネックスは、より効率的かつ確実なパッケージングを実現するために、マシンビジョンとディープラーニングのパワーを集結した自動検査システムを提供することで、お客様の厳しい要件に対応しています。