Huhtamaki

Industry:
食品&飲料品
    Location:
    Auneau, France
      Customer Objectives:
      Key Results:
      Cognex Solution:

      世界的規模のベビーフード製造業者にパッケージを供給するという業務は決して軽く考えられるものではない。Huhtamaki France社は、一見簡単に思えるこの課題についての技術的な問題と広報上の問題を抱えていた。この課題を完全かつ安全に解決できたのは、コグネックスのマシンビジョンシステムのみであった。

      Huhtamakiはパッケージ関連製品を製造し、顧客であるベビーフード製造業者に供給している。容器に取り付けられる透明な蓋が毎日大量に生産されており、それぞれに材料や香料などが明記されたラベルが貼り付けられる。顧客に提供される製品には正しいラベルが貼られている必要があるが、ラベルの供給元では正しいラベルが貼られていることを保証することはできない。

      ラベルが間違って貼られると、成分表示が正しくないことになり、消費者がアレルギー反応を起こす危険性もある。この市場の品質基準は非常に厳しく、Huhtamakiはエラーを完全になくさなければならないという当然のことではあるが困難な課題を抱えることになった。1件でもエラーが発生すれば、消費者の健康を損なうだけではなく、Huhtamakiと同社の顧客である製造業者の評判にも傷が付く可能性があるからだ。
      毎日の膨大な生産量を考えると、目標「ゼロエラー」は簡単に達成できるものではなかった。

      フルオートメーションの同社の工場では、高速かつ柔軟な生産ラインが、毎日24時間、週に1日も休むことなく稼動している。また、各ラインが異なる製品の製造に対応しており、切り替え作業を迅速に行わなければならない。
      Huhtamakiは、昨年、世界規模で事業展開している、あるベビーフード製造業者向けのパッケージの製造開始に合わせて、これらの課題に取り組んだ。

      フランスのHuhtamakiはパリ南部のオーノーを拠点とし、主に食品飲料業界向けに4種類のパッケージを製造している。パッケージの製造プロセスは、紙の成形、プラスチックの押し出し加工、熱成形、プラスチック射出成形、インモールドラベリング、およびモールドファイバー加工で構成される。問題となるプロセスは、インモールドラベリングである。

      乳幼児が対象となるため、重要視されるのは100%の信頼性 

      36カ国で15,000人以上の従業員を有するHuhtamakiは、世界最大規模の消費財用パッケージ製造業者であり、世界中に顧客を抱えている。Huhtamakiは、カスタムデザインのほか、トータルパッケージングシステムとソリューションも提供している。また、硬質プラスチック製、紙製、およびモールドファイバー製パッケージの分野では、世界トップの企業である。同社の顧客は、乳製品、精肉製品、ベビーフード、アイスクリーム、および青果に至るまで、食品業界の主要市場のほぼ全域にわたっている。Huhtamakiは、安全性と品質管理が重要視され競争が激化している状況において、重要な役割を果たしている企業である。
      このような細心の注意が必要な市場において、Huhtamakiにとっては、高い生産性を維持し、かつゼロエラーを達成する以外の選択肢は残されていない。HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)協会のメンバーであるHuhtamakiは、食品衛生に関する厳しい基準もクリアしなければならない。つまり、評判を傷つけたり、品質管理に悪影響を及ぼしたりするあらゆる要素を排除する必要がある。

      課題と対応

      こうした課題に対応するために、Huhtamakiの担当責任者はマシンビジョンに解決策を求めた。生産ラインが高速で、目視による検査が不可能なためだ。
      Huhtamakiの技術系管理職であるDidier Lemaire氏は、ビジョンシステムの使用経験があったものの、今回はさらに速く堅牢で、何よりも使用しやすいソリューションを必要としていた。コグネックス製品の評判を知っていたDidier Lemaire氏は、早速コグネックスに連絡を取り、信頼のおけるシステムインテグレータであるCaire社とのコンサルティングが開始された。Caireは、将来においても使いやすさと拡張性を持続することのできる、専用ユーザインタフェースを備えたビジョンシステムの導入を提案した。

      このソリューションでは、いくつかの条件をクリアする必要があった。
      各製造工程では、ベルトコンベアで蓋が搬送される2つのラインがあり、材料や香料などについて表示されたラベルが貼られる。蓋は常に360度回転するため、ビジョンシステムにとっては難易度が高い、角度に対応した検査が要求された。また、ラベルの貼られた蓋が梱包されて顧客に配送される前に検証しなければならない。ゼロエラーを達成して完全な信頼性を得るために、ビジョンシステムには、必要な詳細情報をすべて取得して記録するための機能も必要となった。

      柔軟性と拡張性

      さらに、将来発生する可能性のある、図柄や色、製品などの変更にも対応できる柔軟性と拡張性も必要とした。このような環境変化だけではなく、照明や温度の変動にも対応しなければならない。
      また、ビジョンシステムの経験が十分でないオペレータでも簡単に使用できるように、可能なかぎりシンプルなシステムである必要があった。特別な訓練をしなくても、システムの信頼性を損なうことなく、各種変更が実行できなければならない。

      100%の信頼性を実現したソリューション

      Caireは、コグネックスのビジョン製品をベースとしたソリューション開発における豊富な経験や知識、その専門技術を活用して、Huhtamakiの提示した条件をクリアした。
      両方のコンベアラインにコグネックス製のIn-Sight® ビジョンセンサを設置し、In-Sightで対応しているOPC(OLE for Process Control)機能を利用して簡単にHuhtamakiのインタフェースと接続した。コグネックスの先進ビジョンツール、PatMax®を使用したことで、製品画像をクリアに表示し、ラベルを正確に評価できるようにした。
      PatMaxにより、蓋に貼られるラベルの位置だけでなく、ラベル上の文字の位置やサイズも認識し、記録した。
      複雑なパラメータ設定は不要であったため、使いやすさと、長期にわたる柔軟性が保証された。取り込んだ画像と一致しない製品は直ちに不合格と判定される。ゼロエラーを達成しただけではなく、欠陥リジェクト率も低下した。

      新しいソリューションの簡易性と信頼性により、Huhtamakiは品質を低下させることなく高い生産性を維持することができた。同社では、ほかの製造部門にもコグネックスのマシンビジョンを導入することを検討している。

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