初の自動ラグナット締め付けアプリケーション - ビジョンロボットが重要な役割を担う

ホイールをハブに固定するラグナットを探して締め付ける作業は、ナットランナーのサイズや重さが異なり、約 40秒で 2つのホイールのナットを締め付けなければならないため、手作業でも非常に困難です。ラグナットの位置が分かっていれば、ロボットは簡単にナットランナーを締め付け位置に移動できます。問題は、車両はコンベアによっておおよその位置に配置されるため、ホイールが自由に回転したり、傾いたり、ずれたりしてしまうことです。したがって、通常ビジョンの無いロボットはナットを見つけることができません。Radix Controls社は、5つの異なる軸にあるナットの位置を数秒間で検知するという高速なサイクルタイムで動作するマシンビジョンアプリケーションの開発に挑戦しました。
そのビジョンアプリケーションでは、各ホイールの位置を得るために、コグネックスの In-Sight® 5403 ビジョンシステムを採用しています。コグネックス社の PatMax®というパターン照合ツールを用いて、工場で使用する各ホイールを認識しました。認識した各ホイールに対してサークルファインダツールを使って軸の中心の位置を正確に検知します。さらに、エッジツールで、リムの中心の特徴を認識して、ホイールの回転角を判断します。最初の画像を撮影した後、レーザーで各ホイール上に十字の印を付けます。その後、最初のレーザーをオフにして、次のレーザーで異なる角度から別の十字の印を付けて2つ目の画像を撮影します。そして、エッジツールで各画像の十字印の位置を認識し、その座標をRadix社が開発したプログラムに送り、そこで十字印間の違いを計算してホイールの回転及び傾斜角度を計算します。
ビジョンシステムはこの情報をファナック社製ロボットのコントローラーに送ります。ロボットは、手首をホイールの回転及び傾斜角度に合わせて旋回し、ナットランナーを回転させてホイールの回転角に合わせます。次に、ナットランナーをラグナットまで誘導します。数秒間でナットランナーを回転させて、適切なトルクでナットを締め付けます。
このアプリケーションが実用化されて 18ヶ月が経ち、99.6% 以上の稼動時間(タイヤ欠落、タイヤに水進入などを含む)を達成しています。このアプリケーションの自動化よって、2名の作業が困難かつストレスの多いものから、より積極的な役割に変わりました。「私の知る限りでは、マシンビジョンを使ってこのアプリケーションの自動化に成功したのは今回が初めてです。」と Radix Controls 社のShelley Fellows氏は語っています。
詳細についてはこちら: