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画像処理システムを利用したロボットで、クラッチハウジングの鋳造加工プロセスを自動化

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Odyssey Machine社(米国オハイオ州ボウリンググリーン)のアルミニウムのクラッチハウジングの鋳造工場では、顧客に納品する前に、重さ約18kgのクラッチハウジングの湯口部分を切断してバリを除去する必要があります。以前は、1人の作業者が湯口部分を切断する装置に鋳造品を装着し、もう1人の作業者がそれを支え、別の切断担当者がバリを除去していました。Odyssey Machine社は、このように危険を伴う困難な作業をなくそうと、画像処理システムを利用したロボットアプリケーションを開発しました。マシンビジョンシステムが、供給コンベヤ上の8種類ある部品の種類を識別し、同時に、その位置を識別します。そして、ロボットが部品をピックアップして1番目の3段階式の湯口カッターに装着します。次に、ロボットが湯口カッターからカットされた部品を取りだし、2番目のバリ取り用高速カッター部に部品を動かしてバリを除去します。Odyssey Machine社の社長、Ron LeRoux氏は、「このアプリケーションの鍵となるのは、部品の種類とその正確な位置を完璧に識別するIn-Sight® Micro 1100ビジョンシステムの能力です。この画像処理システムとロボットのおかげで、危険な作業から2人の作業者を社内の別の部署に異動させることができ、同時に6か月で投資を回収できました。」と述べています。

鋳造工場の自動化への挑戦
鋳造工場での作業は、「きつい」、「汚い」、「危険な」と表現されることもあり、自動化の進展が比較的遅れています。その理由の1つが、多様な部品を製造しているために自動化が難しいということです。また別の理由として、鋳造部品はサイズや形状のばらつきが大きく、従来のロボットのみによる自動化での部品位置検出が難しい、ということもあります。

今回のアプリケーションでは、長距離トラック用のクラッチハウジング8種類が鋳造されており、各鋳造品には取り除かなければならない大きな湯口部分があります。また、湯口内に埋め込まれているステンレス鋼のろ過スクリーンは、再溶融できないため分離させる必要があります。

従来のマシンビジョンシステムは、相関と呼ばれる、ピクセルグリッド上の解析に依存しているため、このアプリケーションを自動化するのは困難でした。つまり、この方法では、対象物の登録グレースケールモデルと実際の画像を比較することで対象物の位置決めを行うため、対象物の角度やスケールが変わってしまうと、画像処理システムは対象物を検出できなかった訳です。しかし、画像処理技術の最近の革新により、従来の方法で対応不可能な大きなばらつきがある場合でも、ロボットを用いた自動化ができるようになりました。Odyssey Machine社は、コグネックス販売代理店のRAF Automation社(米国オハイオ州ソロン)と協力して、部品の種類と位置のばらつきを処理できる柔軟な自動制御システムを開発しました。この自動制御システムの鍵となるのは、鋳造品を加工ワークセルに運ぶ供給コンベヤ上で部品の種類を即座に識別し正確な位置を特定する画像処理の能力です。

成功への鍵となる対象物位置検出テクノロジ
Odyssey Machine社とRAF Automation社は、対象物の角度、大きさ、外観に関係なく対象物の正確な位置決めを行うために、コグネックスのPatMax®ソフトウェアテクノロジをベースにソリューションを構築しました。 PatMaxは、ピクセルグリッド上の相関ではなく、3段階の幾何学測定プロセスを適用することにより得られる対象物の幾何学情報を使用します。つまり、PatMaxは、最初に対象物画像内の主要な特徴を個別に識別して切り分けを行い、形状、寸法、角度、円弧、陰影などの特性を測定します。次に、実行時の画像と登録画像間で、主要な特徴の距離と相対角度を含む相互位置関係を関連付けます。最後に、PatMaxは、特徴と相互位置関係の両方から幾何学情報を解析することによって、対象物の角度、大きさ、外観に関係なく、対象物の位置を正確に繰り返し判定できます。

このソリューションでは、部品がビジョン領域内で安定した移動ができるようOdyssey社が従来型の平ベルト供給コンベヤに、改良を加えたものが使われています。鋳造品は湯口を下にしてコンベヤに置かれ、y軸方向(コンベヤの移動方向x軸に対して直角方向)の位置は約1cm以内に保たれます。8種類の鋳造品それぞれに対して、別々のロボットの動作プログラムが必要となるので、ランダムな順序でコンベヤを流れてくる鋳造品の部品番号の種類を識別することが先ず重要です。Odyssey Machine社は、この作業のためにIn-Sight Micro 1100ビジョンシステムを選択しました。LeRoux氏は、「In-Sightシリーズを選択したのは、第一に、コグネックス独自のPatMax対象物位置検出テクノロジが採用されているからです。In-Sight Micro 1100は、PatMaxのほかにもコグネックスの画像ツールを備えており、更に、パッケージサイズが最小であるため、狭いスペースに取り付けるのにも最適です。」と述べています。

ロボットおよびPLCとの通信
このアプリケーションで使用されているロボットは、使用されなくなっていたFanucのS900Wです。今回、このアプリケーション用にFanuc社によって再生されました。Ethernetケーブルを介して画像処理システムに接続されているAllen-Bradley製プログラマブルロジックコントローラ(PLC)が、ワークセルの動作を制御します。コグネックスビジョンシステムのファームウェアには、Allen-Bradley製、Siemens製、三菱製などの一般的な種類のPLCと通信するのに必要なプロトコルが組み込まれています。Cognex Connect™と呼ばれるこの通信対応は、すべてのIn-Sightビジョンシステムに標準で搭載されている機能です。今回の画像処理システムは、ロボットがコントローラと通信するため、デジタルI/Oを介してRJ2ロボットコントロールに接続されています。In-Sight Microビジョンシステムは、部品識別情報と部品に関する座標情報をPLCに送信し、PLCはその情報をロボットコントローラに直接送信します。

Odyssey Machine社のエンジニアは、コンベヤ上の部品の登録画像を撮影し、メモリ内に格納することで、画像処理システムが各部品を認識するように学習させます。新しい部品がラインを流れてくると、標準的なコンベヤ上のカメラがその部品を検出し、コンベヤを停止して、画像処理システムにトリガを掛けて画像を取り込みます。In-Sight Microシステムは、取り込んだ幾何学情報をメモリに格納されている登録画像と比較し、一致する部品番号を選択します。各画像の一致度はパーセンテージ得点として計算されます。「正しい部品に対する得点が95%より低かったり、正しくない部品に対する得点が65%より高かったりする状況は、一度も見たことがありません。」と、LeRoux氏は述べています。PatMaxのアルゴリズムでは、x軸(コンベアの移動方向)とy軸(コンベヤの移動方向に対して直角方向)の座標と角度(x-y平面内での回転角)を含む部品の位置も示されます。

ロボットと画像処理システムのキャリブレーション
ロボットの座標系を画像処理システムと同期させる必要がありますが、コンベヤが画像処理システムに対して移動しない限り、一度同期するだけで十分です。Odyssey Machine社のエンジニアは、コンベヤ上に治具を配置することで、ロボット座標系のキャリブレーションを行いました。エンジニアが治具の画像を取り込むと、画像処理システムは、内部の座標系における各治具の座標を調べます。次に、エンジニアが各治具に対してロボットを動作させ、ロボットの座標系における位置を記録します。これにより、2つの座標系間の変換式を決定し、ロボットコントロールがIn-Sight Microシステムと同じ座標系を使用するように調整します。

次に、ロボットが部品の位置に移動し、先端を正しい角度にねじって部品を取り上げます。ロボットは、超硬刃のついた3段階式リニアカッターを備えた作業位置に部品を配置します。第1段階のカッターは、湯口の先端をステンレス鋼フィルタのすぐ下で切断し、切離端を溶融用の破片容器に落下させます。第2段階では、ステンレス鋼フィルタを切断し、フィルタを回収するため別の容器に落下させます。第3段階では、湯口の残りを切断して、溶融用の破片容器に落下させます。湯口を除去すると、部品には穴ができます。

ロボットは、この穴を使用して部品を一番目の作業位置から取り上げ、ワークセルの2番目の作業位置に移動させます。ここでは、毎分30,000回転の高速スチールヘリカルエンドミルを使用しますが、弾力性を備えたATI Automation社製のエアスピンドルを使用しています。ロボットは、エンドミルの周囲に部品を動かし、バリを除去します。スピンドルには径方向の弾力性があるため、部品によってバリの量が異なっても対応できます。

LeRoux氏はこう締めくくっています。「新しいロボットワークセルによって、以前は反復性緊張傷害の危険があった困難な手作業の自動化に成功しました。In-Sight Micro1100 ビジョンシステムは、部品番号と部品のx座標、y座標、角度を完璧に特定します。ロボットワークセルによって、操作に必要としていた作業者3名のうち2名を省くことができました。残った1名の作業者は、完成した鋳造品をラックに載せるために必要なのです。ロボットの再生、画像処理システムと金属切削装置のコストなど、セル全体で約400,000ドルのコストがかかりました。この中で、セルの自動化部分のコストは、約75,000ドルです。鋳造工場で従業員1人を雇うのにかかる総コストも約75,000ドルであるため、ロボットを利用することで必要な作業者の数を2名分(約150,000ドル)減らすことができ、短期間で投資回収ができました。」

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