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ヘッドアップディスプレイの品質管理と検査

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BMWの長期的な顧客満足の維持とコスト効率に優れた品質管理体制をコグネックスのテクノロジで実現

自動車メーカのBMW(ドイツ、ミュンヘン)は、顧客から常に最高品質の製品や精度の高い計器の提供を求められています。「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」に対する需要の増大に伴い、BMWにおいてもHUD品質管理システムの整備の必要性が生じるようになりました。また、この品質管理システムでは、生産ラインの速度を維持しつつ高い安全基準を達成する必要がありました。

BMWの工場では、現在、5シリーズおよび6シリーズの生産ラインにHUDの品質管理システムが導入されており、高性能の工業用画像処理の代表例といえるものとなっています。
 
BMWドライバのための新しい情報システム
自動車のオプション機能としてのHUDは、その利点により急速に需要が増大しています。HUDは、ドライバ向けの情報機器で、Siemens VDO Automotiveが開発および製造しています。HUDの画像処理システムは、光学ミラーシステム配列によって仮想画像をフロントガラスに映し出します。画像がドライバの前方約2mのところに投影表示されるため、視線を移動させなくても自動車やナビゲーションに関する情報を見ることができます。つまり、ドライバは運転に集中したまま、必要な情報にアクセスできるのです。
 
しかし、もしHUDが少しでもずれるようなことがあると、標識や車線、駐車場の入り口などの周囲状況の確認の妨げになってしまいます。

決め手は画像品質
そのため、HUDがユーザに受け入れられるかどうかは、投影されるディスプレイの画像品質が重要な条件となります。BMWは、新型車の5シリーズおよび6シリーズのオプションとしてHUDを導入することにしました。HUDの導入に伴い、ミュンヘンにあるBMW研究開発センターの技術統合部門では、工業用途レベルに適した精度の高い品質管理システムが必要になりました。その時点において利用可能な画像処理関連の品質管理システムが存在しなかったため、まったく新しい製品を短期間で開発するのが急務でした。
 
まったく新しいソリューション
HUDの画像品質の管理に関する測定方法は、過去に研究所で開発が行われていましたが、まだ実際の生産工程への応用には至っていませんでした。こうした研究開発をもとに、品質保証プロジェクト向けのシステム設計の準備として、重要な目標となる仕様が定められました。技術的な制約のほか、品質管理システムでは、フロントガラスと、自動車に搭載されているHUDが投影する画像との連動についても対応が必要となりました。組み立て工程が終了した完成車では、小さな欠陥でさえも修復することはできません。

BMWの技術統合部門(TI部門)は、定められたシステム設計仕様に基づいて、HUDで必要とされる品質保証システムに利用可能な画像処理ベースのソリューションを求めて、マシンビジョンサプライヤ数社を検討し始めました。そして2002年の中頃に、コグネックスのパートナーシステムインテグレータ(PSI)であるGefasoft GmbHを採用することを決めました。Gefasoftは、同社のシステムが高度なアプローチによりBMWの求める業務に十分応えられるソリューションであることを示したのです。

タイミングとトレーサビリティ
測定パラメータの決定およびチェックは、生産工程に影響を与えずに、迅速かつ効率的に行う必要があります。検査にかけられる時間は、生産ラインのタイミングによって決まります。また、検査システムは、あらかじめ設定された時間内で多数の車両に対して正確な試験を実施でき、コスト面においても実現可能なものでなければなりません。さらに、検査システムは、左ハンドルおよび右ハンドルの両方の仕様に適応する必要があるほか、トレーサビリティに対応し、企業ネットワーク全体の情報インフラストラクチャに組み込めることが必要になります。

精度と信頼性
HUDの検査システムは、ユーザの基準よりも高い精度と信頼性で評価やアセスメントを実施し、品質について客観的な結果を出す必要があります。そのためには、実用化の研究やプロジェクトの計画段階においても、高性能なPCベースの画像処理システムが必須であることは明らかでした。ハードウェアに高い効率が求められただけでなく、ビジョンソフトウェアのアルゴリズムにも高い信頼性と精度で機能することが必要とされました。

BMWの2交代制の組み立てラインでは、故障や停止は許されません。50件もの検査画像の取り込みと評価を2分未満で完了する必要があります。

検査装置は、生産工程の途中で車両内に置かれ、正確に位置付けられた後、所定の位置に固定され、最後には再び車両から取り出されます。このため、検査サイクルにおける画像取り込みと画像処理計算に費やせる時間は30秒ほどしかないのです。

最高レベルの信頼性を実現するコグネックスのPCベースビジョンシステム
投影される仮想画像は画像品質の範囲が広範であるため、評価が非常に難しくなります。しかし、変化の激しい生産環境条件下で、画像処理が原因となって品質管理にエラーがおきることは許されません。たとえば、照明条件が変化する環境でコントラストのばらつきがエラーの原因となるような場合がその例です。

このような場合には、CVL(Cognex Vision Library)のビジョンツールが、非常に有効です。このツールは、ビジョンソフトウェアの詳細に至るまで、さまざまなプログラミングレベルにアクセスすることができます。オプションを利用すれば、より正確で細かな最適化が可能です。そのため、最終的なソリューション(ツールの選択、パラメータ化、リンク、および詳細の最適化)が、短期間の開発かつ高い安全性で実現できます。

困難な条件下でも信頼性の高い検出
コグネックスのビジョンツールは、精度や安全性を損なうことなく、最高レベルのパフォーマンスを実現しています。対象画像で最も重要な特徴(エッジ、計測値、形状、角度、曲がり、影など)は、それぞれが個別に識別されます。取り込まれた画像の主な特徴間の空間的条件や関係は、リアルタイムの画像と比較され、その情報に従って対象物の位置が正確に判断されます。

このため、特定の特徴を、非常に高い信頼性、精度、速度で認識することができます。照度やコントラストなどの条件の変化による影響は、対象画像の輪郭と構造を同時に調べることによって排除することができます。こうした性能は、HUDの変形や歪みの検出において利点となります。ビジョンツールの機能的な安全性は、BMWが求める99%以上という高い基準も満足させるものです。

高い基準への適合
画像処理システムは、BMW独自の基準に適合している必要がありますが、コグネックスは、長年にわたり、その条件を満たすサプライヤとして認められてきました。唯一の懸念事項は、完成したシステムの稼動状況の信頼性です。全体がパラメータ化されている生産システムでは、スタンドアロン型のシステムは使用できません。工場で稼働するシステムにとって最も重要なことは、画像処理を工場の診断システムに、完全かつ高い信頼性で統合することです。

長期にわたるトレーサビリティによる高い顧客満足度の実現
Gefasoftとの共同作業は大きなメリットを生み出しました。限られたスケジュールにもかかわらずGefasoftが柔軟かつ迅速に対応できたことは、ソリューションの成功に大きく貢献しました。2004年までには、最初のHUD検査システムが完成しました。この検査システムは高い評価を得たため、ディンゴルフィンク工場のノーマルシリーズの生産ラインにも導入されました。現在は、10基を超えるHUD検査システムがBMWの工場で24時間フル稼動しており、HUDの完璧な品質を保証しています。検査結果はセントラルサーバのデータベースに保存されるため、完全なトレーサビリティが確保されています。検査画像も一緒に記録されているため、顧客から要求があった場合でも、出荷時にHUDが完璧な品質であったことを、何年後でも証明できます。

 

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